FLOATING IMAGES-新作短歌

新作置き場

とけあってふれあってただやすらぐの ふたりの壁はかぎりなくうすく
熱伝導性があるから並んだ君の体温で熱くなるほっぺ
ハートの関数なんて送らないでただ一言をかすれ声で言え!
すべてのなにがしかが持つ膜はアイデンティティーのかたまりだから
水族の記憶を持ちて水を飲む永く地上をさまようヒトも
暁の躍動を内に押しとどめ未明のきはに降りたちぬ陽
地平線を明らかにして日の出へと祈りに満ちて軌道をすすむ
冷たさの包む世界に生まれきし新たな年に無垢な火のあらむ
太陽をさえぎるもののない夏日 光で穢れも漂白されよ
高気圧うすい雲までなぎ払い刺すようなまぶしさの襲来
弧をえがく道路を白く見せる森あまやかな影にひそむものたち
青空は赤に恋して火焙りで紫になる狂人の皮膚
ノンブレーキ!町を見下ろす坂道を吸えないほどの風をうけつつ
銀色の電車に乗れば宇宙行きシリウスめざし空っ風吹く
キレぎみにねじれた音が弾け飛ぶらせん階段上りきるとき
風が吹く凝った大気をぬりかえて思い出される呼吸のしずく
刻々と色合い変わる空までは遠すぎるから ああ もっと放して
芯のほうまでうだる日は羽化する日生白い羽をゆるゆるのばす
あかあかと火の粉が踊る燭台は深々と闇に包まれるべし
オルガンのながながし管天に着き降れ人工の神々の声
死ぬだろうもしも鼓動が支配され春の祭典のリズムとなれば

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