FLOATING IMAGES-短歌-副都心

副都心

新宿で降り出した雨どこへゆく石をまとった冷たい街を
どこまでも石段は地へ下りてゆく根を生やすよう都市は拡がる
ねぇ 誰か違うと言って 私は空中都市に立っているのよ
ここは宙 本能が語る真実 踏みしめるものは虚偽の結晶
その針は止まる時 この街の歴史の何を指すのか 水時計
大理石の道を歩けば空中にいる不安が轟いている
大地へ降りていきましょう 天使ではないから 土を踏みたがる足
見失った地面を探す霧雨の深い都市をどこまで降りても
見上げれば青空に死が 摩天楼に閉じ込められて 涙する鳥
ビルの間をぬってここに至るだろうか? 霧の向こうに沈む夕日は
精霊が逃げ出した地に生命の力は果ててすべてはガレキ
壮麗なガレキにうごめくロボットははるかを透かしみることもなく
神経を研ぎ澄まし見回した街 よどんだうなり かすれた歌声
曇天に白く立ち尽くす都庁は血を吸われたる乙女の化身

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