FLOATING IMAGES-短歌-かばん・2006年11月号

残響

静寂に静物たちのうなる声低く無情に普遍にながく
ゆれていた水滴がついに蛇口からぽたぽたぽたと空間に 音
日中の騒音は夜 闇に棲む残響となり産毛をなでる
突然に照明は落ちステージに始原の宇宙が産み落とされた
前奏をブレイクが呑み断絶は恋しさという黝(あおぐろ)の牢
うすあおく白き柔肌浮かび来て夜目をひらけばはじまる夜伽
幻聴の驟雨のなかで渇望に息を詰めては旋律を待つ
青闇に幻影の音を紡ぎだすたゆたう風を孕んだ声が

10月号 | 12月号

同人誌「かばん」に
発表した作品です。

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