FLOATING IMAGES-短歌-かばん・2006年12月号

歪曲

語りには確かな時は刻まれず三つの時制のあわいを歩む
朧なる古代を示しやわらかにうつつを拒むものがたりなり
瞬きに装飾音符を散らしては千年を跳ぶ場面転換
お話の中のお話 宮殿は青海原の真中に立つと
脳裏をよぎる幻は生々し 闇の壁には空とその際(きわ)
投げ網を繕う漁師が現実のクラスメイトに似ていた真昼
不可思議であるほどいとしい物語 いつまでも君に裏切られたい
のびやかな声だけ空にとけてゆき不変のままに時空をわたる

11月号 | 1月号

同人誌「かばん」に
発表した作品です。

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