行灯のかなた
鮮やかな色があふれる世界ならうつくしい人も生まれるものか やわらかき土をふみこむ素足にはパッサカリアが秘められている 太陽も照らしきれない深い場所から見ていたよ まっすぐな目を 浜からは異界は見えない海面が空の光を乱反射して 新月に迎えにゆきます夜ならば地上も黄泉と地続きになる 龍鱗の鎧はにぶく光りおりちいさきものをのみこむように ゆらめきて沖へ散りゆく行灯のかなたが近い たましいの渦 まだ先の碧(みどり)の海を下るころ陸(おか)の記憶もうすれるでしょう
同人誌「かばん」に
発表した作品です。
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