FLOATING IMAGES-短歌-かばん・2007年8月号

あばら骨

つながれた左手首がほほえんで白い記憶になるような死を
一瞬は妙なる波を聴きながらそうして時の岸辺をうつまで
あばら骨花ひらくよう露を享けこの身の芯が洗われるよう
ひずみゆく音の連なり見つめる目の光以外は忘れたのです
すずしさがかおる切っ先さだまればざわめくものもおもたく眠る
あなたのほかにだれもしらないわたくしでうぶげを舐めているのもあるいは
藻屑にもならずに消える泡となるきみのことばに光があたり
影色の鳥が黎明にとけるたびまぶたも鼻も耳もあかるむ

7月号 | 9月号

同人誌「かばん」に
発表した作品です。

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