雨あがり
まっしろな蟹のぷくっと吹く泡になりてふゆふゆ天の引力 蒸発する水のからだの記憶とは返された盆 追ってくる谺 感傷は光のつぶとして撒いた雲間より伸べる腕(かいな)に似せて こなゆきに対位旋律交じるときそらの高さが真空に消える 朝焼けと転調の喉持つ人は滅びの呪文をつかわないだけ 空を突く塔するどくてひっかかり淡くなれない苦しい雲だ 消えかかる虹が街路をもう少し照らせば樹脂化する雨あがり うすあおのオブリガートの私にはさかまく空こそ眠るべき場所
同人誌「かばん」に
発表した作品です。
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