FLOATING IMAGES-短歌-かばん・2007年11月号

螺子たち

螺子たちは何回転もしたのだろう鉄骨の塔が空を割るまで
行く雲をミラーガラスに映しとりタワーは空の眷属となる
第二層の空として塔 中空に航空灯の星をつらねて
静かだとささやくときも這いうなる駆動音から逃れてはいない
帰属なき塔の翳りの天までの軌跡はフリギア旋法に似て
高層に棲まうものには光だけ残されるのだ梯子のはてに
立ちかたが世界の端の銀線を踏んでしまった幻のよう
幻は万有引力を持たないでエアロゾルに浮く科学廃墟

10月号 | 12月号

同人誌「かばん」に
発表した作品です。

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