迷宮を抜けるまで
こぼれそうな意識抱えて街の中 いっぽんみちははりつめた糸 体内を駆け続けている慟哭に戸をしたままで独りになろう 途切れなくうごめいている空間で殻がわれれば溶けゆく中身 歩く足機械仕掛けに思えては盲目の心運んでゆく 突き固め深い土台に立つビルらそびえてもどこかガラス細工 飛び出した風になろうと 雑念を後ろに置き去り「ありのまま」とは 遠くなる耳を掠める風のうなりひたすらなほど鼓動が響く これは禊邪念を削いであらわれるDNAの無垢な回廊 いってんを見る存在はゆらぎないそこはおもたい風のとおり道 丘の上そばにいるのはわたしだけとんびが飛んで輪がからまった 沸騰し泉のふちに結晶が ほしかったのはそれだけなんだ 一心に嵐の中を抜けたからまっしろなぼくあさひにとけた 陽だまりに結晶ひとつ見つけたよ僕の半身成るべき未来(あした) 半身が語った話 白い空 今の僕らの作り方 だけ 七色の光束ねてしめされた可能性とはありふれた謎 薄い殻われないようにかくれんぼそのままでいて死が生まれくる 蒼穹を見上げぬ雛の自閉症変化を畏れゆめみつづける 体内で時間が走り出したならピーター・パンになれないしるし 時を止め咲きつづける白い花見失ってたわたしのはずだ 息を吸う新しい気を消化する灯りがぽわり満たされた腹 たくさんの光にみちた空だからどこへもいけるちからのかぎり 脱皮したばかりの羽は白すぎて僕らしい羽とはいえないよ ふるえつつ羽は広がり僕だけの羽となりゆく暁の鐘 ふりかえり凍てついた風置いてきた悩みと不安と静かな街と 都心では膝を抱えて歩く影かまいたちから逃れるために しろたえにまばゆき空のありし頃ありがたしものきたるべき朝 原子らがうまれるごとく細胞も生死をめぐる 降りつむ奇跡 ここならば孤独な理由はいらないんだ狂気の中で走りつづける 澄みきった宇宙の深さ湧きたった奇跡と雪の降り積もるだけ 心など硝子の檻にこもりきり遠い現実さわれない土 過ぎ去れば静かに立とう焦燥の駆けた後には灯りがともり さらさらと剥がれ落ちゆく角質はよいこのもとであった秋晴れ たちならぶ鳥居をくぐる 変化こそ希望に満ちた異界への落下 締め付ける世界の膜をかきわけてかきわけてまだわたしになれない からっぽの光がさしていつのまに盗まれたのか記憶は氷 だれにでもはるかなそばに心があるドアを開いて風を受ければ 投げ捨てたつかみきれない叫び声ただぎゅっとして 眺めているから 見張るのは仮面の裏で 飛び出した蝉のくるおしさ砕かれるさま ハンマーの下で自分を信じられるすぐそばにいる君と祈るから 穏やかに小雨もやみて光さす優しい心がある驚き 天気雨降りあらわれて懐かしい我と見晴るかす未来は奇跡
Copyright © 2005-2007 iku All rights reserved.
mail : iku@ag5.net
